無口なカレとの甘い恋
目をつぶったのかどうかもよく覚えていない。
ただ、海星君との心の距離を詰めたい一心で。
ファーストキスは、勢いが良すぎてちょっぴり痛かった。
「お前なぁ……」
「ごめんなさい!!」
唇を離すと、海星君はギロッとあたしを睨んだ。
そこでようやく、自分がとんでもないことをしでかしたことに気が付いた。
ヤバい。殺されるかも……?
体からスーッと血の気が引いていく。
「痛ぇよ、下手くそ。するならもっとうまくやれよ」
「ごめんなさいぃぃぃ。なんせ、初めてだったから。大目に見てください!!!」
ぺこっと頭を下げると、海星君はハァと盛大なため息を吐いた。