無口なカレとの甘い恋
あの日……――ベストカップル賞に選ばれた時、
あたしは海星君とともに壇上に上がるはずだった。
「ミスターに、一条海星君!!!ミスは、綾瀬姫子さんに決定しました~!!おめでとうございます!」
名前を呼ばれた瞬間、状況が飲み込めずにいたあたしはぽかーんっとだらしなく口を開けた。
「ちょっと、姫子!!すごいじゃん!!」
「やっぱり今年は一条と綾瀬か~!!」
「美男美女だし、お似合いだよね!!」
まだ気持ちのついていかないあたしとは対照的に周りが騒ぎだす。
ど、ど、どうしよう……――!!
あたしはこれから一体、どうすればいいの!?
正直な気持ちがそれだった。