無口なカレとの甘い恋

「ねぇ、一条君。今の聞いて分かったでしょ?姫子と付き合うのって結構大変だと思うよ?すごい鈍感だから。それを分かったうえで付き合おうとしてるの?」


「まぁ」


「ふぅん。じゃあ、俺も今日から徹底的に戦うことにするわ」


伊織君と海星君は何やらバチバチと火花を飛ばしあい、戦闘モード全開だ。


あたしは二人の会話をよく理解できず、他人事のようにそれを聞いていた。


「ていうことで、姫子はもう家に入ろう。今日は俺が一日看病してあげる」


「え!?伊織君、さっきうちから出てきたでしょ?もう用ないんじゃないの?」


「用ならあるよ。子供の時みたいに、姫子の背中お風呂で洗ってあげようか?」


「おい、いい加減にしろよ」


押し殺すように言った海星君の言葉には相当な怒りが含まれていた。
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