無口なカレとの甘い恋
「ほらっ、姫子!!早くいきなって!!」
「えっ……――。あっ、うん……」
どうしよう。
壇上に登るように急かされて困惑しながらキョロキョロと辺りを見渡す。
海星君はどこにいるんだろう。
きっとあたしがミスに選ばれて困惑しているに違いない。
どうしてあたしがミスに選ばれたんだろう……。
自分が選ばれるなんて夢にも思っていなかったから、気持ちの準備が全くできていない。
もし分かってたら、ちゃんと予行練習してきたのに!!
って、そうじゃなくて!!
パニックになりかけていた時、グイッと腕を引っ張られてあたしは目を見開いた。