無口なカレとの甘い恋
友達以上恋人未満?
昼休み。
「……――姫ちゃーん!!何してんの~?」
職員室へ行く予定があり廊下を歩いていると、前からきたレオ君に呼び止められた。
レオ君は海星君の親友だ。
長めの茶色い髪を後ろに流し、耳にはジャラジャラと大小さまざまなピアスをつけている。
派手さは校内でもトップクラス。
海星君に負けず劣らずのイケメン。
ノリが良くておもしろいレオ君の周りには常に女の子達が溢れている。
だけど、何故かレオ君には特定の彼女はいないようだった。
喋りやすくて楽しくて、海星君とも仲良しのレオ君は、あたしの良き相談相手でもあった。
「あっ、レオ君~。今から職員室に行くんだ」
「えー、何で?」
「先週やった課題の提出日が今日までだったの。あたし、先週風邪で休んじゃったから」
「あぁ~そういうこと。そうだ、姫ちゃんが休みの日、海星すっげぇさびしそうにしてたよ」
「……海星君がさびしそうに……――って、それ本当に!?」
何気なく放ったレオ君の言葉をあやうく聞き逃してしまうところだった。