無口なカレとの甘い恋
海星君のその笑顔に再び涙が溢れる。
もう見られないかと思っていた。
その笑顔を……もうあたしには向けてくれないかと不安で仕方がなかった。
「別に別れたつもりないし。つーか、お前のこと渡すつもりもない。幼なじみにも他の男にも、絶対に」
「本当に……?」
「当たり前だろ」
「これからは、電話もメールも……返事ちゃんとくれる?無視しない?」
伊織君とのことがあってから、海星君には徹底的に避けられていた。
恐る恐る尋ねると、海星君は眉間にしわを寄せた。
「お前、自分だけが辛かったと思ってんだろ」
「え?」
「俺だって、お前に会いたかったし、連絡もしたかったから」
「ほ、本当に!?」
海星君の意外な一言に酔いが一気に吹っ飛んだ。