無口なカレとの甘い恋
「でも、もう心配すんな。もう二度と店には来ないし」
「どうして店に来ないって分かるの?」
「まぁ、色々」
「海星君……いったい小林さんに何をしたの……?」
「別に。前からベタベタくっついてきてウザかったし、いつかはあの女にお前の仕返しもしようと思ってたから。レオは俺があの女に何すんのか心配してたみたいだけどな」
その時、ふとレオ君の言葉を思いだした。
『えっ、まさか!?マジで~!?海星と小林さん、二人でどっかいっちゃったの~?』
『マジか。やばいやばい!!相当ヤバいって!』
あの時は、海星君が小林さんと一緒に消えて関係を持ってしまうことを『ヤバい』と言っているのかと思っていた。
だけど、もしかして……意味が違う?
レオ君は小林さんの身を案じていたの……?
「こ、小林さん…大丈夫だよね?」
「別に大したことしてないから。でも、お前の分まできっちり報復しといてやったから」
ニッと笑う海星君。
一瞬、スーッと冷たい物が背中を伝う。
すると、怯えるあたしを海星君はギューっと抱きしめた。