無口なカレとの甘い恋

「でも、もう心配すんな。もう二度と店には来ないし」


「どうして店に来ないって分かるの?」


「まぁ、色々」


「海星君……いったい小林さんに何をしたの……?」


「別に。前からベタベタくっついてきてウザかったし、いつかはあの女にお前の仕返しもしようと思ってたから。レオは俺があの女に何すんのか心配してたみたいだけどな」


その時、ふとレオ君の言葉を思いだした。



『えっ、まさか!?マジで~!?海星と小林さん、二人でどっかいっちゃったの~?』



『マジか。やばいやばい!!相当ヤバいって!』


あの時は、海星君が小林さんと一緒に消えて関係を持ってしまうことを『ヤバい』と言っているのかと思っていた。


だけど、もしかして……意味が違う?


レオ君は小林さんの身を案じていたの……?


「こ、小林さん…大丈夫だよね?」


「別に大したことしてないから。でも、お前の分まできっちり報復しといてやったから」


ニッと笑う海星君。


一瞬、スーッと冷たい物が背中を伝う。


すると、怯えるあたしを海星君はギューっと抱きしめた。
< 403 / 462 >

この作品をシェア

pagetop