無口なカレとの甘い恋
「ねぇ、レオ?」


私に背中を向けているレオ。


私の声が届いているはずなのに、振り返ることもしない。


もう一度レオの手を引っ張った時、元カレがツカツカとこちらに歩み寄り私の腕を掴んだ。


「何偉そうなこと言ってるんだよ。いいから、こい。これは命令だ!!」


あぁ、嫌だ。本当に嫌だ。


一年前の私はこの男に何の抵抗もなく言われるがままだった。


だけど、今は違う。


「アンタね……――」


言い返そうとした時、レオが私からスッと手を離した。


そして、その手で元カレの襟元をグイッと掴みあげた。
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