無口なカレとの甘い恋
素人とは思えない機敏な動きに目を奪われる。


2発目の拳が元カレの顎に打ち込まれると、元カレは顎を抑えてその場にしゃがみ込んだ。


「うぅぅ……くっそぉ……俺があんなクソガキにやられるなんて……」


悔しそうに負け惜しみの言葉を呟きながらも、元カレはレオの攻撃になすすべもなく、立つことすらできない。


ま、まさか……レオが……?


一体どうなってるの……?


目を白黒させて驚いている私の手をパシッと掴むレオ。


「サトコさん、ほら早く。逃げるよ!!」


「あっ……――うん!!」


私はレオに手を引かれたまま駆け出した。
< 433 / 462 >

この作品をシェア

pagetop