無口なカレとの甘い恋
全速力で元カレから逃げた私たちがたどり着いたのは、人気のない小さな公園だった。


「ハァ~マジ疲れた~!!」


公園のベンチに体を預けて背伸びしたレオ。


私はその隣にそっと腰かけた。


「ねぇ、レオ……アンタ、ケンカ弱かったんじゃなかったの?」


「あー、俺?弱い弱い」


「弱くなかったじゃない。ていうか、さっき言ってた嘘って何よ」


「実はさ、たまに……本当にたまにケンカすることもあるんだよね」


「何だ。そんなこと?」


「そんなこと、じゃない。だって、嫌っしょ?ケンカする男」


「え……?」


その言葉に思わずレオに視線を移す。
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