無口なカレとの甘い恋

「うわ~、結構混んでるね~。空いてる席なさそうじゃない?」


「だねぇ……――」


普段はあまり人のいない図書室には、テスト前だからかたくさんの生徒がいた。


教室で喋っていた間に、席は埋まってしまったようだ。


困ったなぁ……。


「どうする?教室に戻る?」


「そうだね。それしかないかぁ」


普段と違う場所で勉強するとはかどる気がするんだけどなぁ。


できることならば、ここでやりたい。


だけど空いてないし……。


諦めかけた時、


「……――姫子」


誰かがあたしの名前を呼んだ。
< 58 / 462 >

この作品をシェア

pagetop