無口なカレとの甘い恋
「うわ~、結構混んでるね~。空いてる席なさそうじゃない?」
「だねぇ……――」
普段はあまり人のいない図書室には、テスト前だからかたくさんの生徒がいた。
教室で喋っていた間に、席は埋まってしまったようだ。
困ったなぁ……。
「どうする?教室に戻る?」
「そうだね。それしかないかぁ」
普段と違う場所で勉強するとはかどる気がするんだけどなぁ。
できることならば、ここでやりたい。
だけど空いてないし……。
諦めかけた時、
「……――姫子」
誰かがあたしの名前を呼んだ。