無口なカレとの甘い恋
「あっ、伊織(いおり)君だ!!」
ブンブンと手を振ると、伊織君がこっちに向かって手招きした。
「姫子の周りはイケメンだらけだね」
「ん?」
ポツリと何かを漏らしたアカネと一緒に伊織君のいる席に向かう。
「伊織君もここで勉強してたの?」
伊織君の元へ行くと、机の上に教科書が広げられていた。
「そう。姫子たちも勉強しに来たの?」
「うん。でも、席が空いてなくて」
すると、伊織君の友達と思われる先輩達が立ち上がった。
「俺達、今から予備校行くし、ここ座っていいよ?」
「いいんですか?ありがとうございます!!」
アカネと一緒にお礼を言って空いた席に腰かける。