無口なカレとの甘い恋

って、今はそんなことを考えている場合じゃない!!


っていうか、今更になってようやく気付いた。


あたしの近くにこんなにも優秀で頼りになる人がいたのをすっかり忘れていた!!


伊織君は昔から頭がいいし、成績は学年トップクラス。


分からない問題は伊織君に教えてもらえばいいんだ!


どうしてそんな簡単なことに気が付かなかったんだろう!


あたしって本当にバカだ……。


「伊織君!アカネの次にあたしにも教えて!」


「分かった。ちょっと待ってて」


「えへへ……これで赤点を免れる~!!」


この時はまだ、知らなかった。


このことが、今後、波乱の展開を産むことになるなんて……――。
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