無口なカレとの甘い恋
中間テストまでの短い期間、あたしは毎日図書室に通い続けた。
アカネと一緒の日が大半だったけれど、今日はアカネに予定があって一人で図書室にやってきた。
目の前には伊織君が座っている。
あたしはニコッと笑って伊織君に声をかけた。
「伊織君~、この問題の答え教えて~」
「姫子。答えを聞くんじゃなくて、解き方を聞かないと」
「だって、全然分からないんだもん」
「分からないってすぐに諦めるなって。姫子はやればできるんだから」
「そう言ってくれるの、伊織君だけだよ~」
「だったら、ちゃんと頑張れよ」
『中間テスト、赤点取らないように力を貸して!!』
って頼んだせいか、伊織君も放課後、毎日図書室にやってきてはあたしに勉強を教えてくれる。