無口なカレとの甘い恋
「そのぐらいのことじゃないんだよ~」
あたしは一分でも一秒でも多く、海星君と関わっていたいから。
少しでも多く、海星君にあたしという存在を意識してほしい。
好きになってほしい。
日に日にそんな思いが増していく。
「姫子にそんなふうに思ってもらえるなんて、羨ましいな」
「え?あたし、海星君も大事だけど伊織君も大事だよ?」
「本当に?」
「うん!だって、昔から伊織君とは兄妹のような関係だったでしょ?あたしは伊織君のことを本当のお兄ちゃんのように思ってるから」
自信を持ってそう言い切ると、伊織君はあたしの肩に回した腕にギュッと力を込めた。