無口なカレとの甘い恋
「お前、ここで何やってんだよ」
「え……?」
海星君の言葉に今の自分の状況を確認する。
誰もいない図書室の中で、伊織君に腰を抱きしめられている状況。
あ、あれ……?
これって……――マズいかも?
あたしが伊織君と兄妹も同然の関係だっていうことを海星君は知らないんだから。
「えっと、この人は一つ年上の瀬戸伊織先輩。あたしの家の目の前に住んでて昔から仲が良いの。兄妹みたいなものなんだ!」
伊織君の紹介をしつつ、腰に回った伊織君の手を解こうとする。
って、あれれ?
だけど、伊織君は何故かかたくなにあたしの腰を離そうとしない。