無口なカレとの甘い恋
「兄妹みたいなもの?」
「そうそう!」
「いつもそういうことされてんのか?」
「違う違う!今日はたまたま窓から落ちそうになったあたしを助けてくれて、流れでこうなっただけだよ」
慌てて否定するあたしから目を反らし、海星君は視線を伊織君に向ける。
図書室の中に何故か重苦しい空気が立ち込める。
「アンタ、本当にこいつのこと妹だって思ってんの?」
わずかに目を細めて眉間にしわを寄せる海星君。
ど、どうしたんだろう……。
明らかに敵対している海星君と伊織君。
あたしは困って二人の顔を交互に見つめた。