無口なカレとの甘い恋

あたしは右の頬を手で抑えながら目を見開いた。


「どうして……キス……したの……?妹にはキスしちゃだめだよ!!例えほっぺたでも!シスコンだって思われちゃうよ!?」


「いや、姫子は俺の妹じゃないでしょ?」


「確かに血は繋がってないけど、あたしは伊織君をずっと本当のお兄ちゃんだと思ってたのに!!」


ていうか、どうしてこのタイミングでこんなことをするんだろう。


からかうなら、このタイミングじゃなくたってよかったはずなのに!


海星君の目の前でこんなことをする理由は一体何!?


伊織君の行動にイライラが募る。


恐る恐る海星君に視線を移すと、海星君の表情はいつもと同じだった。
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