無口なカレとの甘い恋

伊織君にキスされたのは、今日が初めてだった。


兄のように慕っていた伊織君は、今日まであたしに触れることは一度もなかった。


だから、キスされるのは予想外で、よけることもできなかった。


だけど、それは言い訳だ。


海星君に誤解される前に今すぐ伊織君を突き放さないと!!


「……――伊織君!!もういい加減にし……――て」


伊織君の体を両手で押し返した時、ドンッというものすごい音が図書室に響いた。
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