無口なカレとの甘い恋

「あっ……」


海星君はそのままあたしを避けるように図書室を後にした。


その時、ようやく疑問が解けた。


……そうだ。絶対にそうだ。


自分の中である結論に至ったあたしは、慌ててカバンの中に教科書類を詰め込んだ。


「ごめん、伊織君。あたし、いくね!!今まで勉強見てくれてありがとう!!これからは自力でやるから!!」


「一人で大丈夫なの?」


「大丈夫。これからは海星君と一緒に勉強する!!」


伊織君に別れを告げて図書室を出ると、あたしは全速力で海星君を追いかけた。

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