無口なカレとの甘い恋
「ハァ……ハァ……」
廊下を走り、昇降口にたどり着き海星君の靴を探す。
雑に詰め込まれた上履きが入っているだけで上靴はない。
ていうか、そもそも図書室は校舎の端にある。
昇降口は図書室から遠いし、海星君は図書室へ来る前、校門に向かって歩いていた。
だとしたら、図書室へは昇降口経由でくると時間のロスが生まれる。
ということは、もうすでに学校を出てしまったかもしれない。
「あーーーもう!!あたしのバカ!!」
慌てて靴に履き替えて駆け出す。