無口なカレとの甘い恋
辺りはもう薄暗くなっていた。
校門を抜けて左右をキョロキョロと見渡すと、そこには見慣れた背中があった。
見間違えるはずがない。
海星君だ……――!!!
「かーーーいーーーせーーーいーーー君ーーー!!!」
大声で叫んでブンブンと両手を振りながら走り出す。
よかった。追いつけてよかった……――!!
海星君との距離がグングンと近づく。
「待って―――!!」
あと数メートルのところまできて叫んでも、海星君は振り返ることも、足を止めようともしない。