無口なカレとの甘い恋

「海星君……ごめんね。海星君はあたしを心配して図書室に来てくれたんでしょ?」


「は?」


背中越しに感じる海星君の体温が心地いい。


海星君はあたしが図書室の窓から落ちそうになるところを目撃して、図書室へ飛んできてくれたんだ。


あたしのことを心配して……。


だから、汗をかいていたんだ。


なんてねっ。


自分の都合のいいようにそう思いこんでいるあたし。


「窓から落ちそうになったあたしを見て、慌てて図書室へ来てくれたんでしょ?」


そうだったらいいな、という期待を込めてそう尋ねる。

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