無口なカレとの甘い恋

「あっ、ダメダメ!!また笑って?あたし、海星君が笑ってる顔……好きだから!!」


ニッと笑いながら、海星君の頬に両手を伸ばす。


背が高い海星君の頬に触る為には、背伸びしないと届かない。


「ねっ?笑って?ほらほら」


海星君の頬をぐっと引っ張って左右に引っ張る。


「おっ、いい感じ!!だけど、目も笑ってくれないと、笑顔が完成しないよ~」


それにしても、小さな顔。


頬のお肉はあたしみたいにたくさんないし、引っ張りずらい。


あたしが指で引っ張っているから海星君の口元は笑っているようにも見える。


だけど、目が全然笑っていない。


眉間にしわを寄せてあたしを見つめる瞳はすごく冷たい。


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