星が瞬く夜に。
「ご、ごめんなさい、変な勘違いしちゃって」
「別に構いませんよ。
あたし、花京院(かきょういん)ミリアと言います」
「玉井郁美です」
花京院ミリアなんて、凄い名前だな。
見た目も話し方も名前も、お嬢様っぽいわ。
「あたし、ずっと玉井さんと話してみたいなーって思っていたんです。
玉井さん、いつも本読んでいるから、気になっていて」
「私、本が好きなの」
その後は花京院さんと一緒に、本の話題で盛り上がった。
「珍しーな。郁美が誰かと話すなんて」
よく通る声が聞こえ、振り向くと。
榊くんが明るく笑っていた。
「榊くん!?風邪、治ったの?」
「微熱だから、来たんだ。
家にいても暇なだけだし」
「そうなんだ。
あ、榊くん。
彼女、花京院ミリアちゃん。
クラス委員なんだって」
「初めまして、花京院です」
「よろしく」
2人が話すのを見た私は、ふと花京院さんの胸元に目がいった。
ワイシャツの下に輝くもの。
多分あれ・・・ネックレスだ。
意外・・・ネックレスつけるんだ。