星が瞬く夜に。







抱きついた瞬間、わかった気がする。




私・・・榊くんに会いたかったんだ。

凄く凄く・・・会いたかったんだ。





「いきなり抱きつくとは・・・。
郁美もダイタンだなぁ」

「うぅ~・・・ひっく・・・」

「まだ泣いているのかぁ?
お~よしよし」



子どもをあやすかのように、榊くんは私の頭をなでた。

あったかくて太陽みたいで・・・落ち着く。



「ミリアから聞いたよ。
倒れて早退したんだって?」

「うん・・・」



ミリア、来ていなかったのに、何で知っているんだ?

私の疑問をわかったかのように、榊くんは答えてくれた。



「郁美が休むのは珍しいと思って、担任に聞いたんだって。
そうしたら授業中倒れて早退したことを聞いて、俺に教えてくれたの。

その後ミリアが心配して、保健室の先生に尋ねたところ、寝不足で倒れたらしいじゃん。
ミリアも心配していたよ?」

「うん・・・」

「寝不足になったわけ、あるんだよね?」

「うん」

「どぉ?俺に話してみない?」



私は力強くうなずいて、リビングに通し、お姉ちゃんのことを話した。

お葬式に誰も来なかったことや、おじいさんのことも、全部。







< 117 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop