星が瞬く夜に。
「よろしくね」
榊くんは私を見て、微笑む。
あ~・・・チャラそう。
「・・・」
「え?無視ですか?」
「・・・」
「名前、なんていうの?」
「・・・」
「榊くん!玉井さんに話しかけない方が良いよ。
玉井さん、話しかけてもしゃべらないからさ」
人と話すのが苦手なだけです。
決して話さないわけではありません。
「玉井さんっていうの?」
「・・・」
「俺、榊輝流。
気軽に呼んでくれて良いよ」
「・・・」
「玉井さん、下の名前、なんていうの?」
「・・・」
あ~・・・しつこい。
「玉井さん?
聞こえているなら返事してよ」
「・・・」
「もしかして、話せない?
声出ないとか?」
「・・・」
読書の邪魔、しないでよ・・・。