星が瞬く夜に。
今まで気が付かなかった私は、思わず笑いだす。
静かなリビングに、笑い声が響いた。
「郁美、俺ね」
「うん?」
「郁美のことが好きだったんだよね」
・・・は?
「・・・今、なんと?」
「だーかーら。
俺、郁美のことが好きだったんだよね」
私のことが、好き“だった”?
どうして過去形・・・?
「俺、彼女出来たからね」
「・・・え?」
先ほどの笑い声が、全て水の泡と化した。
「転入した時は郁美が好きだったんだけど、俺今は郁美のこと、なんとも思っていなくてさ」
ハハッと、嘘偽りない笑顔で彼は笑う。
一気に、私の体温が下がって行く。
「最後にね、お別れを言いに来たんだ」