星が瞬く夜に。
「ところで凄いですよねぇ、輝流くんは」
「・・・そうだね」
榊くんは、風邪が完全に治ったらしく、今日私と共に学校に復帰した。
今榊くんは、教室の隅っこで女の子に囲まれながら、笑っていた。
あの・・・太陽のような笑みで。
「いつも輝流くんは郁美にベッタリでしたけど、急に離れたものだから、積極的になる女の子たちが増えたようですね」
「・・・そうみたいだね」
「元気ないですね郁美」
「そう?」
「何かありましたか?」
「ん~・・・。
特にないかなぁ~・・・」
「もしかして、お姉様が関わっていますか?」
ミリアの、お姉さん?
「ミリアお姉さんいるの?」
自分は花京院家の跡取りだからって言ってたから、1人っ子か下にきょうだいがいると思っていたな。
「ええ、いますよ。
少し不良っぽいので、跡取りはあたしですけどね」
「そうなんだ~・・・」
調べてみたけど。
花京院家は、古くから続く茶道の家元。
ホームページには、着物を着た跡取りのミリアの写真も載っていた。
そんな和風の家だから、不良っぽいのは駄目らしい。