星が瞬く夜に。
「玉井さん、お~い、聞こえてますかぁ?」
「・・・」
「声出ないの?」
「・・・」
榊くんは、鞄の中から、ノートを取り出した。
「はい!
これ自由に使って良いから!」
「・・・」
何、これ。
「声出ないんでしょ?
俺手話とかわからないから、筆談でお願いね」
「・・・」
声、出るんだけど。
「耳も聞こえない?」
「・・・」
「俺の声、聞こえてる?」
「・・・」
あ~・・・しつこいっ!
「・・・読書の邪魔、しないでくれますか?」
あんまり大きな声で言ったつもりないんだけど、クラス中が静かになった。
先生でさえも、話すのをやめた。
「話せるんじゃん!
なら話してよ~!
話さないとわからねぇよ?」