星が瞬く夜に。




「玉井さん、お~い、聞こえてますかぁ?」

「・・・」

「声出ないの?」

「・・・」



榊くんは、鞄の中から、ノートを取り出した。



「はい!
これ自由に使って良いから!」

「・・・」



何、これ。



「声出ないんでしょ?
俺手話とかわからないから、筆談でお願いね」

「・・・」



声、出るんだけど。



「耳も聞こえない?」

「・・・」

「俺の声、聞こえてる?」

「・・・」



あ~・・・しつこいっ!



「・・・読書の邪魔、しないでくれますか?」



あんまり大きな声で言ったつもりないんだけど、クラス中が静かになった。

先生でさえも、話すのをやめた。



「話せるんじゃん!
なら話してよ~!
話さないとわからねぇよ?」





< 13 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop