星が瞬く夜に。
「ミリア、郁美ちゃん、借りても良い?」
「どうしてですか?」
「少し話したいことがあるのよ」
「・・・もしかして、アノコトですか?」
「そうよ」
「わかりました・・・」
「さすがあたしの自慢の妹ね。
郁美ちゃん、ちょっと良いかしら?」
「はい・・・良いですけど」
妹大好きな奈々子さんは、私を連れて、外に出た。
連れてきてもらった場所は、小さな病院。
個人で開いているような、本当に小さな病院。
花京院医院って・・・。
「ここはね、あたしたちのおじいちゃんが開いている病院なの」
「そうなんですか」
名前、納得だわ。
「おぅ奈々子、どうしたんじゃ?」
医院の中に入ると、白髪交じりのおじいさんが出迎えてくれた。
口調からして、奈々子さんとミリアのおじいさんだろう。
「お見舞いよお見舞い」
「そうかそうか。
そちらのお嬢さんは?」
「ミリアの友達。
そして、輝流の彼女さん」
「あの子の・・・。
そうかい、ゆっくりしていってな」
おじいさんは不思議そうに私を見た後、ゆっくりと微笑んだ。