星が瞬く夜に。






奈々子さんは奥に1つだけある病室をノックした。

すぐに、小さな声が聞こえる。

奈々子さんは、扉を開けた。




「久しぶり瑛士。
最近忙しくて来れなかったの、ごめんね」

「気にしないで」


病室の中にいたのは、男の子だった。

歳は多分・・・私たちと同い年ぐらい。



甘いチョコレート色の髪。

綺麗な茶色い瞳。

白い真珠のような肌。

女の私よりも細い手足。

力なく笑った彼は、私を見て笑った。



「奈々子の友達?」

「まーそんな感じ。
正確に言えば、ミリアの友達」

「ミリアちゃんの?
そうなんだ・・・初めまして」

「は、初めまして」

「清水瑛士(しみず・えいじ)です」

「玉井郁美です」



奈々子さんとミリアの知り合いらしいけど・・・誰だろう?



「でね、郁美ちゃんは輝流の彼女でもあるの」

「・・・輝流の・・・・!?」



何故か瑛士さんは驚いた顔をした。







< 138 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop