星が瞬く夜に。
恥ずかしがる私を見た奈々子さんと瑛士さんは、お互い顔を見合わせ、笑っていた。
そのせいで、ますます恥ずかしくなる。
「女の子の扱いには慣れているけど、彼女に接するのは初めてで、頼りないこともあるかもしれないけど、輝流のことよろしくね?」
「何かあったら僕の所気軽に来て良いからね。
これでも僕は輝流の幼馴染で友達だから。
輝流の恥ずかしい思い出も、全部知っているよー?」
「はい!
じゃあ、また来ますね」
「「気を付けてねー」」
私は頭を下げて、病室を出た。
瑛士さんも奈々子さんも、榊くんのことを大事に思っているんだ。
私も・・・
あのバカップル以上に大事に思えたら良いな・・・・。
「ニヤニヤしていると変な人に見えるぞ、郁美」
「えー?
ひどいこと言うなぁー」
サラッと毒を吐くこの声は、振り向かなくてもわかる。
「瑛士のとこ、行って来たのか?」
「うん。
凄い優しい人だねー。
奈々子さんも瑛士さんも」
「昔のままだからなー」
綺麗な夕日に向け、榊くんは笑った。