星が瞬く夜に。
「何度も会おうとしたよ。
でも、会いに行けなかった。
段々、会おうとも思わなくなった」
「・・・会った方が良いよ。
トラウマになっているのなら、尚更行かないと。
一生会えなくなるよ」
「・・・うん。
今度行こうと思っている。
奈々子からも、何度も言われているから。
でもその前に」
その前に?
「郁美に聞いてほしい。
俺の・・・こと」
「・・・私で良ければ、聞くよ」
「郁美じゃなきゃ話さないよ」
少し笑いあった私たちは、静かになる。
「俺たちは幼馴染でね、昔からよく一緒に遊んでた。
正確に言えば、俺はあんまり遊べなかった。
遊んでいたのは、瑛士と奈々子だけ。
俺は医者から外で遊んではいけないってドクターストップかかっていたから。
でもあの2人はよく病室に来てくれた。
俺が良くなったら遊ぼうって、毎回帰り際には約束した。
まぁでも俺のドクターストップがなくなることは、中学卒業までなくて。
俺には遊んだ記憶、ないんだけどね・・・。
俺にある能力が出てきたのは、中学に入ってきてからだった・・・・」