星が瞬く夜に。
教室に入ると、俺を呼ぶ声がする。
しかし、アノ声もする。
どちらが、真実の声なんだ?
「どうしたー輝流」
「どうしたの?」
アノ声が聞こえる度、俺は頭を抑えた。
聞こえなければ良いのに、と願った。
しかし、願いは届かないまま。
「大丈夫かー榊」
「榊くん?」
不審に思ったクラスメイトが近づくたび、アノ声も大きくなる。
「心配になるな」
「確かにー」
「保健室行く?」
「早退した方が良いんじゃない?」
心配の声とは正反対のことを言う、アノ声。
「・・・よ」
「「「え?」」」
「嘘つくなら、最初っからそう言えよっ!」