星が瞬く夜に。
俺は高校進学を諦め、家にいた。
それを心配した両親は、俺に高校へ行くよう薦めた。
試験を受け、合格はした。
でも、誰かと関わるつもりなんて、一切なかった。
「榊輝流です」
めんどくさいと思いながら自己紹介をした。
すると。
〈寂しいな・・・〉
色々な本音が聞こえる中聞こえた、弱い声。
俺はその声が気になった。
言っている人を探そうと思った。
席替えをして、俺は女子の隣になった。
本に顔を埋めて、とっつきにくそうな女子。
〈・・・寂しい〉
・・・この子だ、言っているのは。
どうしてこの子は・・・寂しいと呟くのだろう。
今にも消えそうで泣きそうな声で・・・。
〈ひとりぼっちは嫌なの・・・〉
その子・・・郁美の本音は、常に泣いていた。
この子・・・不器用なんだな。
自分で素直に白状できないんだ・・・寂しいってこと。