星が瞬く夜に。
俺は何故郁美が泣いているか気になったため、郁美に近づいた。
しかし彼女は俺になんて気にも留めない。
でもめげずに近づき、話しかけた。
多分俺は。
郁美のことが好きなんだ。
郁美を寂しさの渦から救いだしたいんだ。
郁美と仲良くしていくうちに、俺は郁美の涙のわけがわかった。
郁美は双子のお姉さんを亡くしているんだ。
郁美は・・・お姉さんにすがっているんだ。
だから郁美は泣いている。
郁美を泣かせないため・・・郁美をお姉さんから自立させるため、俺はお姉さんの代わりになれるよう、郁美の近くにいた。
でも奈々子に出会い、俺は気が付いた。
俺は瑛士から走ることを奪ったんだということに・・・。
俺は瑛士のように郁美を傷つけないよう、距離を置いた。
そして同時に、郁美に嫌われたくない一心で、この能力のことを秘密にしようとした。
でも。
俺は郁美を忘れることが出来なかった。
むしろ離れれば離れるほど、郁美が好きになった。
そして俺は決めたんだ。
郁美に、話そうって。