星が瞬く夜に。
「現在俺は、郁恵さんが大事に守ってきた郁美さんとお付き合いしています。
いずれは結婚も考えています・・・」
けっ、けっけっけっ、結婚!?
早くないですか!?
あ・・・でも可笑しくない年齢なのか?
っていうか、どうしてお姉ちゃんに語りかけていること口に出しているんだ?
不思議な人だなぁ・・・。
「どうか、お許しください」
なんかお父さんに言う台詞みたい。
「よーし、終わったよー」
「ねぇ、どうして口に出しているの?」
「ん?
だって郁美だけじゃ悪いし?」
「どゆこと?」
「俺、心ン中で思っていること聞こえちゃうんだよね」
うん、知っているよ?
「郁美がお姉さんに言っていること、俺全部聞こえちゃうの」
「あ・・・そっか」
「郁美のだけ聞くのも悪いし。
でも郁美は俺みたいな能力持っていないし。
だから俺は声に出しているの」
「そういうことねー」
「納得できたかい?お嬢さん」
「納得できましたよ、お坊ちゃん」
広い青空に笑い声が響き渡る。