星が瞬く夜に。
「さて、山くだりますか」
「え、夜まで待とうよ」
「えぇ!?
なんで?
夜道くだるのは危ないよ?」
「この山の名前を郁美に聞いた時、聞いたことあるなーって思って調べたんだ。
そうしたらこの山、あることで有名だったんだよね」
「あること?」
「郁美知らないの?
お姉さんのお墓あるのに?」
「・・・悪かったですね、知らなくて」
「だから夜まで待とう?」
「うん・・・?」
変な榊くん。
☆☆☆
夜、10時。
榊くんは初めから夜まで山に残るつもりだったらしく、虫除けスプレーや夕ご飯まで完全に用意していた。
「まだ?」
「もうすぐだねー」
何故か空を見上げた榊くんは、「ほらっ!」と声を上げた。
「うわぁー・・・!!」
頭上に広がるのは、満点の星空だ。
ちらほらと、流れ星まで見える。