星が瞬く夜に。
「遅いわよ、遅刻したらどうするの?」
「ごめんなさい・・・」
文句を言いながらも待っていてくれたお姉ちゃん。
やっぱり、自慢で憧れのお姉ちゃんだ。
「お姉ちゃんと同じクラスが良いなぁ」
「あたしは嫌よ。
郁美と同じクラスなんてね」
「どうして?」
「だって郁恵、何かある度にお姉ちゃんお姉ちゃんうるさいのよね。
そろそろ自立すれば?」
「私、まだ中学生だよ?
自立するなんて、早いよ・・・」
「そんなことないわよ。
もしこの場であたしが死んだら、郁美どうするの?」
「死ぬなんて縁起でもないこと言わないでよ。
お姉ちゃん知っている?
言葉にはね、言霊って言うのが宿っているんだよ?
口から言葉が出た途端、言葉は力を持つの。
だから、むやみに言っちゃ駄目なんだよ。
現実になっちゃうかもしれないからね」
「郁美って成績悪いくせに、そんなことは覚えているから凄いわよね」
「ん?なんか言ったお姉ちゃん?
少しボーッとしていたから、聞いていなかったよ」
「良いのよ気にしないで。
じゃ、行きましょうか!」
「うん!」
お姉ちゃんはいっきに、横断歩道を渡り始めた。
私も急いで、その後を追った。
キキ――――――――――――――ッ!!
ドォォォォンッ!!