星が瞬く夜に。





「・・・ッ」


何故か気まずそうな顔して、俯く榊くん。

この人、考えることも謎だらけだけど、行動も謎に満ち溢れているのね。


暫く俯いていたが、顔を上げ、いきなり笑った。



「俺ら、完全な遅刻だな」

「そうだね」

「めんどくせぇし、このままサボるか」

「え?サボっちゃうの?」

「面倒だしな」

「めんどくさがり屋なんだね」


太陽のような榊くんに、私もつられて微笑んだ。

途端に、榊くんが真っ赤になる。


「どうしたの?」

「いや・・・。
笑っているところ、初めて見たからさ。
なんかその・・・新鮮で」

「え?
私、笑ってましたか?」

「いきなり敬語に戻ったな。
・・・じゃなくて。

無自覚か・・・。タチわりぃな」

「え?」

「いや・・・気にすんな」



タチ悪いの?私。

少しショックかも。



「どこでサボる?」

「どこでも良いよ」

「屋上とか?
1番ベタじゃね?」






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