星が瞬く夜に。
「屋上は柵がないから、立ち入り禁止だよ」
「はぁ?
マジかよ・・・。
ま、一応行ってみるか!」
「え、行くの?
って、ちょっ!?」
榊くんはいきなり私の手を引いて走り出す。
2階の渡り廊下から、グラウンドで体育をやっているクラスメイトが見える。
体育の先生、今日はこの間と違うんだ。
だから体育館じゃなかったのかな?
この学校は大きく、屋上があるのは最上階の5階。
体育館がある1階から、5階までダッシュ!
体力のない私は、さすがに疲れます。
「体力ないなー、郁美は」
「な・・・何で、つか・・・疲れていないのよ・・・」
「は?
俺今、バリバリ疲れているんだけど?」
「そんな風には見えないよ・・・」
クスッと、私は微笑む。
「ところで、鍵かかっているでしょ?
どうやって開けるのよ」
「力ずくは無理だしなー・・・」
当たり前です。
開けたら、榊くん停学になります。
「ヘアピンとか持ってたりする?」
「一応持っているよ。
体育の時は結ぶことになっているから」