星が瞬く夜に。
「貸して?
開くか試してみるから」
「わかった」
実は私、屋上に行きたかったの。
いつも小説とかで、主人公が屋上で話しているのを見ると、凄く羨ましく感じたんだ。
だからいつも行きたいなーって思っていたんだ。
行けたこと、1度もないけど。
小学生の時、お姉ちゃんが児童会長って言う生徒会長みたいなのを務めていたから、行けるよう先生に交渉してって頼んだことあった。
でも、お姉ちゃんは頼んでくれなかった。
危ないからって、私は叱られた。
それ以来、頼んでいない。
頼めなくなったのが事実かな・・・。
「郁美ー」
「ど、どうだった?」
危ない危ない、現実世界から自分の世界に行ってたわ。
気を付けないとね。
「ヘアピン無理だわ」
「へ?」
どういうこと?
「ヘアピン、鍵穴に入らねぇ」
「えぇー・・・」
「お、俺を疑うなら、試してみろよ!」
疑ったつもりはありませんよ?
おほほほほ・・・。