星が瞬く夜に。
私は榊くんからヘアピンを受け取り、鍵穴に差し込む。
・・・本当だ。
入らない。
小説とかはヘアピンで開くのに!
詐欺だー!
「屋上は諦めるかー」
「だよね・・・」
うぅ・・・ショック!
「どこか行ける場所あるか?
空き教室とか」
「ないよ、そんなの」
「だよなー・・・」
一緒に溜息をついた。
「ま、郁美と話せたからな、俺は満足かな」
「そんなので満足なの?
・・・ねぇ、私にどうしてそこまで関わるの?
不幸になるかもしれないのに?」
「不幸になるとか、そんなのわかんねーじゃん。
俺は占い師でも神様でもねぇし。
郁美は占い師か神様なのか?」
「違うよ!」
そんなファンタジーじゃないわ!
「なら、未来なんてわかんねーじゃん。
わかんねーものを言ったって無駄だよ」
「そうだけどさ・・・。
今まで私に関わってきた人、皆不幸になっているもの」
「皆ねぇ・・・」