星が瞬く夜に。






私は無意識のうちに、保健室のベッドの布団を握る。

お姉ちゃんのことを探られないようにしないと。

榊くんに会うまでの私を、表に出さないと・・・。

不幸にさせるわけにはいかないから。




ガシッ




「・・・んなの、可笑しいだろ」

「・・・ッ」




いきなり手を掴まれ、榊くんの顔がドアップになる。

綺麗な茶色い二重の瞳が、私を映している。

うぅ・・・吸い込まれそう・・・。




「楽しんでたし、笑ってたじゃん。
それなのに俺のこと嫌い?
矛盾しすぎだろ・・・」

「・・・ッ」

「俺のこと、ちゃんと見て?」

「・・・ッ」

「逸らさないで」



思わず逸らした視線を、合わせられる。




恥ずかしいよ・・・。

パンクしそう・・・。




「俺は、郁美の力になれない?」







< 43 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop