星が瞬く夜に。
目覚めた私の目がとらえた世界は、白かった。
ここ、どこ・・・?
「郁美!」
「お姉ちゃん!」
目の前で微笑むお姉ちゃん。
私はお姉ちゃんの元に向かって、走り出す。
「こっちに来ちゃダメ、郁美」
「どうして?」
「郁美はまだ来るべき人じゃないからよ」
「来るべき人じゃない?
どういう意味?」
「郁美は帰りなさい」
「どうして?
お姉ちゃんも行こうよ」
「あたしは行けないの。
ここからは郁美1人で行くのよ」
「私1人で?
嫌だよ・・・そんなの。
お姉ちゃんも行こうよ」
「・・・ッ。
行けって言ってんの!!!!」
いきなり叫んだお姉ちゃん。
ビクッと体が動く。
「あたしの元へ来るのは許さないから」
冷たく言い放ったお姉ちゃんは、静かに、私の前から消えた。