星が瞬く夜に。





「俺、退学になったから・・・」

「退学?」

「そう。
屋上の扉ぶっ壊して、停学になって、そのまま退学」

「あんな進学校の生徒でも、そんなことするんだー!」




・・・ハァ、馬鹿だな。

嘘だと気が付かないで信じて。




屋上の扉なんてぶっ壊してないし。

そもそも屋上入れたし。

扉は自動扉だったし。



まぁ、そんな嘘、ばれる心配ないし。

この嘘・・・突き通すか。




「ところで榊くんって、玉井さんと仲良いよねー」

「・・・そう?」

「そーだよー!
この間、玉井さんの後追ってったじゃん」



・・・あぁ、図書室でのことか。

よく知っているなぁー。



「玉井さんって、冷たいししゃべらないし、笑わないし。
関わりたくないよねー」

「確かに―!」

「玉井さんお姉さんがいなくなったから、一気に暗くなったよね」



・・・お姉さん?








< 50 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop