星が瞬く夜に。
「榊くん?」
「ん?
いないよ、俺」
「じゃあ、アタシと付き合わないー?」
「えー!ずるいよー!
アタシが付き合いたいのにー」
って、言われてもね。
俺、名前知らないし。
知らない相手とは付き合えませんよ。
しかもこいつら・・・。
「ごめんね。
俺、うわべだけ見る人間は嫌いなんだ」
自分の中で1番良いスマイルを見せた。
名前も知らない女子たちは、ぽかんとしている。
俺はそのまま立ちあがって、誰もいないであろう図書室へ向かった。
ごめんね。
わかっちゃうんだ、俺。
あの女子たちが、俺の上しか見ていないこと。
俺はね?
誰とも付き合わないの。
ごめんね。
郁美のことは好きだけど。
俺は誰も好きになんて、なれないから。
ま、明日を楽しみにしよう。