星が瞬く夜に。





☆郁美side☆




こんな感じで良いかな?




私はお姉ちゃんの前で、1回転してみた。



「お姉ちゃん、似合うかな?」



話せないのに、私は問いかける。



今日は榊くんとのお出かけの日。

一体、どこへ連れて行ってくれるのだろう。

まぁ、どこへでも良いか。

お姉ちゃんは毎日忙しかったから、遊びに行った記憶も殆どないし。

家族で遊びになんて、あり得ない光景だし。


ちなみにお姉ちゃんとは遊園地に出かけた。

お姉ちゃんがクラスメイトからチケットをもらったとかで。

それが最初で最後のお出かけ。




私はその時着て行った服を着て行くことにした。

深い青と黒のチェックの膝までのワンピース。

それにお姉ちゃんと色違いの青い手提げ鞄。




懐かしいな・・・この服。

お姉ちゃんと出かけた、数少ない思い出の地。

それに、お姉ちゃんとお揃いの鞄。



思えばこの鞄も、思い出あるんだ。






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