星が瞬く夜に。





この鞄は、両親が私たちの小学校卒業の祝いとしてくれたもの。

物心ついた時から忙しかった両親が、私たちの年齢を覚えていたことに衝撃だったんだよね。

お姉ちゃんのお葬式にも来なかった両親。

そんな両親だから、学校の行事にも全く来てくれなかった。

1年に5回会えば良い方。

年齢を覚えてくれていたなんてね。


そんなプレゼントは、やっぱり手渡しではなく郵送。

【郁恵、郁美へ。

 小学校の卒業
 おめでとう。

 これからも
 頑張ってね。

 父さん 母さんより】



そんなシンプルすぎる手紙と共に、鞄が入った袋がついていた。

でも、

嬉しかったんだ・・・。




それなのに。

父さんも母さんも、仕事だって、お葬式来てくれなかった。

私よりも可愛がっていたお姉ちゃんのお葬式なのに。





どうして・・・?

もう、4年もたったんだよ?

それなのに、私は答えを出せていない。



ちなみに両親とは、今まで会っていない。

最後に会ったのは・・・。





いつだっけ?







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